チョコレートのう腫の卵巣温存手術を行うときは術中に柔軟に対応する
- Yuki Miyabe
- 5月12日
- 読了時間: 2分
チョコレートのう腫の核出術は、だいぶ前から卵巣機能(卵巣予備能、卵子の数など)に対する悪影響が指摘されてきた。つまり、チョコレートのう腫の核出術を行うことによってかえって妊娠しにくくなってしまう可能性の指摘がある。
これはチョコレートのう腫を核出する際に、正常卵巣部分も一緒に取れてしまったり、また出血したときに止血をすることよって正常卵巣部分がダメージを受けてしまう可能性があるためである。
以前からチョコレートのう腫の手術はいろいろな方法が提案されてきた。現在でも核出術(ストリッピング)が第一選択ではあるが、他にも凝固(電気メスやCO2レーザーなど)やエタノール固定などが多くの方法がある。
また患者さんの年齢や挙児希望の強さ、痛みは不妊の程度、あるいはのう腫の大きさ、手術の主な目的(のう腫の縮小?あるいは不妊治療?)などによって手術に対する考え方は異なる。
さらに最も大切なのは手術のときの実際の感触であると思う。正常部分とチョコレートのう腫が分かれやすいのか?その分かれやすさの程度は? 出血しやすいのかしにくいのか?チョコレートのう腫の壁の厚さは? 周囲とのゆ着の程度は? などとあらゆることを感じながら手術を行う。これは本当に一人一人の患者さんで異なるし、左右の卵巣でも異なることがある。これによって核出をメインでいってよいのか、あるいは凝固を多くしたほうがよいのか?更には核出と凝固を行う(combined technique)べきか?などを少しずつ手術をすすめながら考えていく。このように手術中に個別化しながら柔軟に考えてすすめるしかないと思っている。
これまでにチョコレートのう腫の手術方法について多くの臨床論文があるけど、実際の手術はあまりにも個別化されるところが多いので、自分の経験や知識、患者さんの状態によって対応していくしかないと思っている。
手術手技を一般化することはなかなか難しいが、それぞれの場面においてこれまでの経験や知識を生かして卵巣機能をできるだけ温存したり、再発しにくくするような手術をしたい。
