ベトナム、カントーでの思い出
- Yuki Miyabe
- 6月14日
- 読了時間: 2分
今から約30年前(1994年頃)、バックパッカーでベトナム南部を訪れたことがあった。その訪問先にカントー市があった。当時の旅の方法は地元の乗合バスでその街を訪れ、その街をひたすら歩き回ることだった。

偶然小さな病院(診療所?)の前を通りがかったとき、外からそのなかをみていた。すると休憩中だったのかベトナムの医師が入ってきてもいいよと手招きをしてくれた。遠慮もせずに診療所の中に入っていき医学生であることを自己紹介をすると、診察室、レントゲン室、病室などをみせてくれた。医学生である自分に興味をもってくれ、16時までの診療が終了すると、その後屋台でビールを飲みながら乾杯しとても楽しい時間を過ごした。
夜になり一人の先生(その前にビールを飲んでいたかどうかは忘れました…)が今からバイクで患者さんの家のいって診察をするからと、一緒に行くことを誘ってくれた。やはり遠慮もせずその先生のバイクの後ろにまたがり密集した住宅街の家を訪れた。そこで患者さんを診察をしたり、薬を処方している姿を見せてくれ、またご家族にも私が日本の医学生であることを紹介してくれた。そのときの診療風景が私の医師としての原風景であり現在でも続いている。
その後、産婦人科医になることを選んだり、更には内視鏡手術に専門化し診療をしている。その結果、自分のなかの医療の30年前のベトナムでの原風景とは随分違ったかたちになってしまっていて、患者さんはなにかあれば新都市病院に受診してもらっている。一方、最近日本でも在宅診療や訪問診療が普及しつつある。産婦人科はこれらの診療とは馴染みにくいかもしれないが、特に手術後の患者さんは何かあればできるだけ早く対応するように心がけている。術後経過が不安定なこともときにあり、不安をできるだけなくしたいと思う。