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入試の面接と沢木耕太郎さん

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 10月11日
  • 読了時間: 2分

更新日:10月12日

 35年以上前にもなるけど、浜松医大の入学試験の面接で趣味はなんですか?ときかれたときに読書と音楽をきくことと答えた(あまり今でも変わってない)。すると面接官が好きな作家はだれですか?と質問してくれたので、すかさず沢木耕太郎ですと答えた。すると面接官は私は知らないけど(…)、と反応したので、沢木耕太郎さんの作品について説明をした覚えがある。



 大学受験のときに受講していた通信講座の付録の冊子にノンフィクション作家である沢木耕太郎さんのインタビューが載っていて、それで存在をしり浪人生のときに何冊か本を読んでいた。浜松医大の入試2日目(面接)へ向かう電車やバスのなかでも読んでいた。沢木耕太郎さんは今年、77歳にもなるが相変わらず作品を発表し続け、その佇まいや姿勢も凛としている。私が沢木耕太郎さんのことを知った35年以上前、あるいはそれより前から今と変わらぬ姿で仕事をされている。そんな姿はとても信頼できるし、長い間ファンでよかったと思う。また10代の自分が医学部の面接で沢木耕太郎さんのことを好きな作家と答えたことは少し誇らしく思える。もちろん自分が現在のような診療を77歳まで続けることはできないけど、沢木耕太郎さんがいつかのラジオで言っていた「手を抜かないこと」「愚痴をいわないこと」「あらゆる状況を面白がること」、この3つを、難易度は高いがいつも心に留めていたいと思う。ただし3番目の「あらゆる状況を面白がること」は診療においてはさすがに無理である。面白がるというのは、個人的にはあらゆる状況を謙虚に学ぶといった姿勢に置き換えて診療をしたいと思う。「あらゆる状況を面白がること」はいつかリタイアしたとき、シニアバックパッカーになったときに実践していきたいと思う。

 
 

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