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子宮後壁の子宮筋腫と尿閉(尿がでない)

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 11月11日
  • 読了時間: 2分

 子宮筋腫は大きくなると骨盤内のほかの臓器、例えば膀胱、尿管、あるいは腸管、血管などを圧迫することはよく知られている。これらの圧迫による症状や危険性は色々あるけど、急に発症してかつ深刻なのが深部静脈血栓症と尿閉(尿がでなくなること)である。これらはどちらも一旦発症すると緊急処置が必要になる。緊急性がより高いのは深部静脈血栓症であるが、頻度が高いのは自分の経験では尿閉であると思う(あまり明らかなデータは見つからなかった)。


 子宮筋腫に伴う尿閉は突然発症することもある。突然夜間や早朝に尿がでなくなると患者さんは急いで救急外来に受診をして導尿をする必要がある。


 子宮筋腫の発生位置でも尿閉のリスクはそれぞれ異なる。いくつかのケースレポートにもあるがその多くが子宮後壁(背中側)に子宮筋腫が発生した場合である。なんとなく子宮前壁に発生した子宮筋腫のほうが原因になりそうだが異なる。つまり後壁に発生した子宮筋腫が子宮底部を背側に引っ張り、逆に子宮体部尾側から頚部を腹側に突き上げるようなかたちで膀胱頚部(膀胱と尿道の移行部位)を圧迫して尿の通り道が塞いでしまうのではないかと考えている。


 子宮筋腫が原因であると考えられる尿閉が発症した場合、何れは手術が必要になる。その場で緊急手術をすることはあまりなく、レルミナなどの偽閉経療法を始めれば子宮筋腫は小さくなり、尿閉のリスクは減る。


 女性の骨盤は深いので、子宮後壁に発生した子宮筋腫はあまり症状がなく、患者さんも治療に前向きでないことも多い。そのため子宮筋腫は大きいまま治療が行われず、尿閉のリスクが生じる。患者さんには子宮後壁に大きな筋腫がある場合はできるだけ手術を受けたほうがよいことを説明している。

 
 

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