子宮筋腫に対するMRI画像診断の限界
- Yuki Miyabe
- 6月27日
- 読了時間: 2分
MRIやCTなどの画像診断装置が多くの病院やクリニックで普及していてその普及率は世界一とも言われる。病院だけでなく整形外科や脳神経外科のクリニックにも備えていたり、画像診断専門のクリニックなども存在し、患者さんにとってこういった画像診断にアクセスできることはとても安心できるし、便利であると思う。
婦人科疾患では特にMRIはとても役にたつ。以前も書いたことがあるけど手術の戦略を立てるうえで極めて有効である。さらには、それ以前に子宮筋腫の質的診断、つまり本当に良性かを診断するのにMRIは必要である。その正診率も高く、MRIで子宮筋腫であり、子宮肉腫ではなさそうと診断されるとほとんどの場合、実際手術をすると子宮筋腫とかなり高い確率で診断される。
一方、MRIを手術前に施行して子宮筋腫と診断しても、最終的な病理組織診断で子宮肉腫(STUMP含む)や悪性度の高い子宮体癌の筋層浸潤などとの鑑別が困難であることも稀ながらある。頻度は少ないがどちらも実際に自分でもどちらも経験しており手術をしてみて初めて判明している。
そのため子宮筋腫の経過や、患者さんの年齢、筋腫の大きさ、不正出血の有無、あるいは超音波検査など組み合わせて慎重に治療方針を検討する必要がある。また閉経前後では女性ホルモンの変動が激しく、これまであった子宮筋腫が大きくなったり、あるいは急に小さくなったりすることもある。こういったことも考慮して経過を観察する必要がある。
MRIは子宮筋腫の診断や手術戦略の構築にとても有効な検査ではあるが、数ある診断方法の1つである。MRIの限界を認識しつつ、個々の患者さんの状態を勘案して慎重に治療方針を検討している。その治療方針の1つに手術(主には子宮摘出)がある。一部針生検などの試みもあるが、最終的な診断は実際に病変を摘出して病理組織検査をして判明する。もちろん無症状のときに手術をしたほうが良いと言われて戸惑ってしまうこともあると思うが、最終的に手術をして病理診断で子宮筋腫と診断してやっと安心してもらえることも多い。
