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帝王切開後の子宮全摘はゆ着のリスクが減っているのかもしれない

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 1月27日
  • 読了時間: 2分

帝王切開の既往がある患者さんの子宮全摘は、帝王切開の傷跡で子宮と膀胱が強固にゆ着(本来離れている組織同士がくっついてしまうこと)していることが多かった。


しかし最近、何となくてはあるがそのゆ着の程度が軽くなっている印象がある。


2000年代前半に帝王切開の術式に変化があった。それまでの帝王切開では、子宮の筋層を縫い合わせた後、その上を覆う「膀胱子宮窩腹膜(ぼうこうしきゅうかふくまく)」も丁寧に縫い合わせるのが日本では一般的であった。


しかし、海外での研究や臨床経験から、あえて腹膜を縫い合わせない方が、術後のゆ着が少ないのではないかという考え方が広がった。その後は筋層を縫合した後、腹膜の欠損部には「インターシード」や「セプラフィルム」といったゆ着防止剤を貼付する処置が主流となっている。


この術式の変化により、子宮全摘術などの際にゆ着はあるが、その程度が軽いことが増えている気がする。 たとえゆ着があったとしても、以前のような固まったゆ着ではなく、比較的容易に剥がせるケースが多い印象がある。


これらにより、手術において最も避けたい合併症の一つである膀胱損傷のリスクが、以前よりも軽減されている可能性がある。


2000年代前半にこの術式で帝王切開を受けた患者さんたちは、現在40代中盤から後半を迎えられていることが多い。この年代は、子宮筋腫や子宮腺筋症などの治療として子宮全摘術を検討される方が多い時期でもある。


20年以上前に工夫された新しい方法が、現在になって再度患者さんの役にたっている可能性がある。私自身も医療者側の流行などに惑わされず、患者さんの長期的な安全や予後だけを考えるように術式を工夫したいと思う。

 
 

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