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脂肪はどっちの組織や臓器についている?:剥離面のヒントにする

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 6月2日
  • 読了時間: 2分

手術をするときに、体内の脂肪の存在は多すぎると出血量増加、他臓器損傷、手術時間の延長などのリスクがつながることがある。確かに、手術を行うときは、正直、脂肪が多すぎないほうが手術中のストレスは少ない。


しかし手術のときに脂肪がなければ(そんなことは絶対にない:脂肪組織もある意味重要な臓器である)、それで良いかといわれる全くそんなことはない。脂肪がないと適切な剥離面に入ることはできないからである。もちろん脂肪組織の中に剥離をすすめるわけではなくて、脂肪がどの臓器に付随しているのかを考え、その境目を剥離面に使用することが多い。


間違っているかもしれないけど、自分の認識では子宮本体で明らかに脂肪組織があるのは卵管間膜だけである(正確に言えばここば卵管と卵巣の間である)。でもここはそれほど難しい剥離部分ではない。子宮筋腫などの良性疾患の子宮全摘の際に行われ単純子宮全摘術では特に膀胱と子宮、直腸と子宮の間の剥離面が最も重要である。膀胱と子宮の間の剥離は帝王切開後の子宮全摘、また直腸と子宮の間の剥離は子宮内膜症でゆ着している場合の子宮全摘の際に難易度があがる。とくに線維化が著しい場合、剥離面が喪失していることがある。でもこんなときは脂肪の存在は大きなヒントになる。脂肪組織のなかに入ってしまったときは、明らかに子宮ではなくて、膀胱や直腸側に入っていることになる。もちろんこれがすぐに損傷につながるわけではないがそれ以上深くすすむと危険であることは認識できる。


このことを2015年ごろから、意識しながら手術をしてきた。ちょうどその頃あるインドの腹腔鏡の専門医(Shailesh Puntambekar)が同じことを講演しているのをwebでみて確信した覚えがある。自分としてはとにかく脂肪を触ると出血をするから、そこを避けるような術式を組み立てていた。ある意味単純な方法ではあるがこれを意識すると少なくとも手術中の術野はきれいになり、他臓器損傷も減る可能性が高いと思っている。

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