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若年期の強い生理痛と子宮内膜症

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 6月28日
  • 読了時間: 1分

 子宮内膜症の手術をしたあとの患者さんが、自分の娘さんが子宮内膜症に罹患しないだろうかと質問をときどきうける。子宮内膜症は家族性などの体質的な発生リスクも指摘されているので注意はしておいたほうがよいことを説明している。


 また大切なのは若年期、つまり中学生や高校生のころに生理痛がひどく、授業をうけることができず、保健室で休むことがあったり、鎮痛剤を頻回に内服しないと過ごせない(そんなときは鎮痛効果が不十分なことが多い)ようなことがあるときは特に注意が必要である。そういった場合、将来、子宮内膜症と診断されることが普通の約2倍であるとの報告がある。中学生や高校生の年代で将来の子宮内膜症の発生を心配する条件は他になく、このような時期の強い生理痛がほとんど唯一のシグナルであると思われる。


 低用量ピルの内服によって子宮内膜症の発生リスクを減らしたり、進行を遅らせることは可能であるとの報告は多い。

 

 特に若年期から強い生理痛で悩まされている女性は、普段の生活を健やかに送ったり、将来の子宮内膜症のリスクを減らすためにも婦人科を受診して超音波検査を受けたり、低用量ピルなどの相談をしてもらえればと思う。


 
 

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