top of page
検索

術後(入院中)にどれくらい動けばよいか?

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 2025年11月1日
  • 読了時間: 2分

 手術後には患者さんにできるだけ動いたり、歩いてくださいと伝えることが多い。入院中に病棟でも医師や看護師にかなり熱心にすすめられた記憶のある患者さんもいると思う。術後の早期離床や歩行で深部静脈血栓症、肺塞栓症リスクを減らしたり、腸蠕動の回復などを促すことができる。とくに前者の血栓症の予防が大切である。


 しかし実際どれくらい動いたり、歩けばよいのか患者さんも戸惑ってしまうこともあるかと思う。痛みはまだ残っているし、疲れもあるので本当はもっと動きたいけど思うように体が動かないこともあるはずだと思う。以前どれくらいの活動量が適切かといった報告がないか調べてことがあるがあまり確かなエビデンスは確認できなかった。そのため自分のこれまでの経験に基づいた感覚的な意見に過ぎないが、手術翌日は朝は室内で歩行、トイレに自力で行けること、昼、夕はそれぞれ病棟をそれぞれ1周、それに加えてトイレや室内歩行ができればよいのではと思う。これだけでも結構大変かもしれない。またベッドで横になっているときも膝や足首の曲げ伸ばしをできるだけ頻回に行うことが大切である。それ以上は患者さんが疲労困憊にならなければ動けるだけ動いて良いと思う。


 血栓症はとにかく予防することが大切である。命に関わる可能性がある病気なので。実際の手術は、執刀医が行うことなので患者さんにはどうしようもできない。もちろん執刀医は手術後に最善の結果になるようできるだけ努力するであろう。でも血栓症の予防だけは、標準的な予防策(子宮筋腫や子宮内膜症など手術の場合は弾性ストッキングや加圧ポンプによるマッサージ)を行ったあとは患者さんにも疲れすぎない範囲で動いてもらえると安心である。



 
 

最新記事

すべて表示
腹腔鏡下子宮全摘術後の入浴はいつから?

手術を受けられた患者さんから最も多く寄せられる質問の一つに、「いつから湯船に浸かってよいか」というものがある。日常生活への復帰を目指す上で、入浴は心身のリラックスに欠かせない要素であり、切実な問題であると認識している。とくに多くの日本人は習慣的に湯船に浸かることも多い。 まず、シャワーについては術後翌日から入院中も入ってもらっている。皮膚の傷口を清潔な水で洗い流すことは、手術部位感染(SSI)を予

 
 
大きな子宮筋腫と子宮内膜症が合併したときの子宮全摘

大きな子宮筋腫や子宮内膜症が合併しているとき、手術、特に子宮全摘術の難易度は上がることが多い。 腹腔鏡手術は、お腹の中に炭酸ガスを入れて膨らませ、その限られた空間の中で作業を行う。しかし、子宮が大きく成長していると、お腹の中のスペースは物理的に奪われてしまう。 そこに内膜症による「ゆ着(臓器同士がくっついてしまう現象)」が加わると、状況はさらに複雑になる。子宮を鉗子で操作することが難しく、術野の展

 
 
気腹による痛みを減らすために

腹腔鏡手術後に、肩やみぞおちが痛くなることがある。特に婦人科腹腔鏡手術後は本来手術したところと全く無関係な上半身や肩の痛みが生じて患者さんも心配になってしまうこともある。一応手術前には説明しているが、思ったよりも痛みが強く離床の妨げにもなり苦痛を伴うことも多い。  3年ほど前から麻酔科の先生の協力で手術の終了時に「肺リクルートメント手技」という処置を積極的に取り入れている。ほぼ全例の患者さんに行っ

 
 

© 2025. All rights reserved by miyabe yuki. 

bottom of page