術後(入院中)にどれくらい動けばよいか?
- Yuki Miyabe
- 11月1日
- 読了時間: 2分
手術後には患者さんにできるだけ動いたり、歩いてくださいと伝えることが多い。入院中に病棟でも医師や看護師にかなり熱心にすすめられた記憶のある患者さんもいると思う。術後の早期離床や歩行で深部静脈血栓症、肺塞栓症リスクを減らしたり、腸蠕動の回復などを促すことができる。とくに前者の血栓症の予防が大切である。
しかし実際どれくらい動いたり、歩けばよいのか患者さんも戸惑ってしまうこともあるかと思う。痛みはまだ残っているし、疲れもあるので本当はもっと動きたいけど思うように体が動かないこともあるはずだと思う。以前どれくらいの活動量が適切かといった報告がないか調べてことがあるがあまり確かなエビデンスは確認できなかった。そのため自分のこれまでの経験に基づいた感覚的な意見に過ぎないが、手術翌日は朝は室内で歩行、トイレに自力で行けること、昼、夕はそれぞれ病棟をそれぞれ1周、それに加えてトイレや室内歩行ができればよいのではと思う。これだけでも結構大変かもしれない。またベッドで横になっているときも膝や足首の曲げ伸ばしをできるだけ頻回に行うことが大切である。それ以上は患者さんが疲労困憊にならなければ動けるだけ動いて良いと思う。
血栓症はとにかく予防することが大切である。命に関わる可能性がある病気なので。実際の手術は、執刀医が行うことなので患者さんにはどうしようもできない。もちろん執刀医は手術後に最善の結果になるようできるだけ努力するであろう。でも血栓症の予防だけは、標準的な予防策(子宮筋腫や子宮内膜症など手術の場合は弾性ストッキングや加圧ポンプによるマッサージ)を行ったあとは患者さんにも疲れすぎない範囲で動いてもらえると安心である。
