​大きな子宮筋腫への手術

​腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術(LAM: Laparoscopic Assisted Myomectomy)

 子宮筋腫は10cm以上を超える大きさに成長してしまうことがあります。また子宮筋腫の発生の特徴として多数発生することがあります。その場合、子宮筋腫核出術を行うことは、手術時間の延長や手術中の出血量の増加の原因になります。そのため、もっとも小さなきずで行う腹腔鏡下子宮筋腫核出術(TLM: Total Laparoscopic Myomectomy)は手術操作の難易度が高いため、それらのリスクがより一層高くなる恐れがあります。そのような場合、当科では腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術(LAM: Laparoscopic Assisted Myomectomy)で行います。下腹部の恥骨の上に3-8cmの横切開を施し、他に数カ所の小さなきずで手術を行います。腹腔鏡手術と開腹手術のよいところを合わせたような手術です。腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術(LAM)を行うことで、ほとんどの純粋な開腹手術、特にお腹を縦に切開するような開腹手術をさけることができるようになりました。もちろん純粋な腹腔鏡下手術と比べるときずは大きいのですが、下腹部の特に下の​ほうにきずがあるため意外と目立ちません。一方、腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術(LAM)は決して簡単な手術になるわけではありません。なぜなら大きな子宮筋腫や個数の多い子宮筋腫に対しておこなう方法であるからです。

​そのため手術を行う医師のこの手術への習熟や経験は不可欠であると考えます。宮部はこの方法を10年以上施行し、術式も安定してきました。しかし、子宮筋腫核出術のハイリスクなケースであることがほとんどであり、毎回細心の注意をして手術を行っています。

​腹腔鏡補助下子宮全摘術(HALH: Hand Assisted Laparoscopic Hysterectomy)

 当科では、子宮筋腫への子宮全摘術のほとんどを腹腔鏡下子宮全摘術(TLH: Total Laparoscopic Hysterectomy)で行っています。しかしこれまでごく少数(約1-2%)の患者さんが、開腹手術で子宮全摘術を行っていました。その場合、腹部に縦切開の大きなきずをつくることになります。大きな縦切開は手術後の腸閉塞や回復の遅れにつながります。また美容的にも長きにわたりストレスとなります。そこでなんとか大きな縦切開を減らすことができないかと考え、腹腔鏡補助下子宮全摘術(HALH: Hand Assisted Laparoscopic Hysterectomy)を導入しました。下腹部に約8cmの横切開を施し、その他に数か所の小さなきずで手術を行います。これにより、大きな縦切開で子宮全摘術を行うことがほぼなくなりました。患者さんの回復は腹腔鏡下子宮全摘術とほとんど同じで、入院期間も同じです。将来的にもきずによるストレスも感じにくいのではないかと思います。この取り組みは、アジアオセアニア産婦人科内視鏡学会の機関誌であるGMITに​論文として掲載されました。

© 2020. All rights reserved by miyabe yuki.