​腹腔鏡下子宮筋腫核出術

子宮筋腫核出術を行う理由と手術のタイミングが大切です

 子宮筋腫核出術は、子宮筋腫を子宮から取り除くこと(核出)することにより、子宮を残す手術方法です。子宮筋腫を取り除く必要があるかどうかは、子宮筋腫の大きさや症状によって決まります。また子宮筋腫核出術(子宮を残す)あるいは子宮全摘術(子宮をとる)がどちらがよいかは今後妊娠を希望するかどうかがもっとも大きなポイントです。また手術するタイミングも重要です。子宮筋腫核出術後の再発率は40%程度であり比較的高いことが課題です。子宮筋腫核出術は主に妊娠を希望される患者さんに行うのが一般的です。しかしながら、手術後時間が経過すると、妊娠を実際に希望されたときにはまた再発していることがあります。そのため手術の効果を十分に活かすには手術の適切なタイミングが大切です。

ほとんどの子宮筋腫核出術を腹腔鏡下に​行います

 子宮筋腫核出術のほぼ全てを腹腔鏡下あるいは腹腔鏡補助下に行っています。腹腔鏡下子宮筋腫核出術は基本的に全腹腔鏡下子宮筋腫核出術(TLM: Total Laparoscopic Myomectomy)という方法を行っています。子宮筋腫を取り除き、残した子宮の壁を修復し、また取り除いた子宮筋腫を回収する作業を全て腹腔鏡下に行っています。この方法によりきずが小さくなり、手術後の痛みを少なくしたり、回復を早くすることが可能になります。また手術後のお腹のゆ着(ゆちゃく:子宮と腸などがくっつくこと)は少ない傾向にあります。子宮筋腫核出をした後の妊娠はほとんどが帝王切開になりますが、ゆ着が少ないことは帝王切開を安全に迅速に行うために大切です。全腹腔鏡下子宮筋腫核出術(TLM: Total Laparoscopic Myomectomy)は傷が小さく、もっとも患者さんのからだに負担の少ない子宮筋腫核出術ですが、子宮筋腫の数や大きさに制限があります。これまでの経験では、数では5個以上、大きさでは直径10cm以上に筋腫が発生したときは、全腹腔鏡下子宮筋腫核出術の難易度が上がると認識しています。このような場合、以前は開腹手術を行っていましたが、2008年ごろから腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術(LAM: Laparoscopic Assisted Myomectomy)という方法を行いお腹を縦に大きく切開することを防いでいます。恥骨の少し上に5cmほどの横切開のきずを、下腹部に5mmくらいのきずを2-3か所つくります。腹腔鏡でサポートをしながら、恥骨の上のきずから直接手を入れて手術を行います。開腹手術のよいところと腹腔鏡手術よいところを組み合わせた方法です。これまで純粋な開腹手術で行っていたような子宮筋腫の患者さんにたいしても、ほとんどがこの方法(腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術:LAM)で手術を行うことができるようになりました。全腹腔鏡下子宮筋腫核出術(TLM)と比べると、きずは大きいので術後の痛みは強いのは確かですが、術後の社会復帰は変わりありません。また美容面については、きずが大きいので、それ自体が目立ってしまうことはありますが、下着の下に隠れる位置にきずがあるので意外に目立たないことが多いのではないかと思います。腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術(LAM)はお腹に縦に大きなきずをつくる開腹手術を避ける方法として大きな意味があります

​子宮筋腫核出術のリスクについて

 子宮筋腫核出術の手術中の最大のリスクは出血です。子宮はとても血流の多い臓器であるため、子宮に切開を加えたとたんに出血が始まります。手術前には出血のリスクを検討したり、また手術中はいろいろな方法で出血を減らす工夫をしています。しかし輸血が必要になったり、あるいは輸血を防ぐために開腹手術に変更したりすることがまれにあります。この頻度は子宮全摘術とくらべて多いのが現状です。手術はMRIや超音波などの画像検査で、子宮筋腫の取り残しがないようにできるだけ注意していますが、とくに子宮筋腫がたくさんできている場合、またできている場所によって、残さざるをえなかったり、術後に子宮筋腫が再発してくることがあります。

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