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2300件の手術

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 9月20日
  • 読了時間: 2分

 2018年1月から今年の8月までに新都市病院で勤務してから他院での手術を含めて約2300件(腹腔鏡手術、子宮鏡手術)を行った。以前勤務していた病院での手術件数(腹腔鏡、子宮鏡手術、2005年~2017年)が約2300件であり同数の手術を行ったことになる。


 新都市病院は私が勤務するまで婦人科手術の実績はなかった。また病院の規模も小さい。新都市病院に手術目的に受診をしてくれた患者さんは大丈夫か心配であったと思う。勤務医なので病院全体としては自分の思いや考えが及ばないこともしばしばあったが、一人一人の患者さんにはできるだけ不安を少なくすることを心掛けた。また患者さんを紹介してくださる開業の先生方も新都市病院を患者さんにご案内するのは大変であったはずである。患者さんを近隣の基幹病院に紹介をするのはそんなに大変なことではないかもしれないし、患者さんも納得しやすいであろう。でもわざわざ私や病院のことを紹介していただいただくためには、患者さんへの説明は詳細にする必要があっただろうし、仕事量が増えてしまったと思う。感謝してもしきれないとずっと思っている。


 この7年9ヶ月の間に少ないながら合併症も発生してしまった。また開腹手術に移行してしまった患者さんもいる。一方、術式は安定しており、これ以上どうすればよいのかと思うこともある。しかし小さなことでも改良できることはないかと探す姿勢は必要であると考えている。また一人一人の患者さんにとってはとにかく安全無事に手術が終わり、元気に自宅に帰り、その後の人生を少しでも豊かに暮らすことを望んでいるはずである。少しでもその妨げにならないような診療をしたいと思う。

 
 

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