top of page

子宮筋腫核出術後の再発率の違い:筋腫の個数によること

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 2月28日
  • 読了時間: 2分

子宮筋腫には、一度にたくさんできる多発性という大きな特徴がある。


筋腫が発生する主な原因は、その人が本来持っている体質によるものが大きい。何かをしたからといって防げるものではなく、発生する数が1個なのか、あるいは複数なのかも、基本的にはその方の体質によってしまうのが現状である。


実際、筋腫だけを摘出する子宮筋腫核出術を行う際、半数以上のケースで複数の筋腫を摘出することになる。もちろん、非常に大きな筋腫が1個だけの場合や、小さくても症状の強い粘膜下筋腫が1個だけの場合もあり、その際はその1個を確実に摘出する。


子宮筋腫核出術では摘出した筋腫の数が多いほど、術後の再発率が高くなる傾向にある。これは過去の多くの報告でも示されており、私自身の臨床経験やデータからも、割と明らかな傾向として現れている。


複数の筋腫がある場合、小さな筋腫の芽が潜んでいる、あるいはもともと多発しやすい体質であると残念ながら説明せざるを得ないのが現状である。このような説明のしかたしかできないのは、とても心苦しく、申し訳ない思いがある。


手術では、可能な限り筋腫を取り残さないよう工夫を凝らしている。しかし、それにも限界があるのは確かである。逆にたくさん摘出すれば良いというわけでもない。だから初診の際には、いかに子宮筋腫と上手に共生していくかという視点でもお話しするようにしている。


子宮筋腫は多くの女性が経験する病気だが、その現れ方や成長の仕方は、ひとりひとり違いがある。また多発性であり根治は難しく、子宮筋腫核出術を行っても再発の可能性がある。患者さんにとって最適な治療や経過観察を共有できればと考えている。

関連記事

すべて表示
有茎性漿膜下筋腫核出術の出血リスク

漿膜下筋腫は子宮漿膜下に発育する子宮筋腫である。名前の通り子宮漿膜(子宮の最も外側の膜の下に発生し子宮の外側に成長する子宮筋腫である。 特に有茎性(子宮筋腫と子宮本体の接合部が茎のようになっている)の子宮筋腫核出術は、茎を切り離せば核出できることがほとんどであり、また切離面も面積が小さいので容易に手術がすすむと思いがちである。 しかし、特に大きな(直径13-15cm以上)有茎性の漿膜下筋腫は子宮付

 
 
子宮後壁の子宮筋腫と尿閉(尿がでない)

子宮筋腫は大きくなると骨盤内のほかの臓器、例えば膀胱、尿管、あるいは腸管、血管などを圧迫することはよく知られている。これらの圧迫による症状や危険性は色々あるけど、急に発症してかつ深刻なのが深部静脈血栓症と尿閉(尿がでなくなること)である。これらはどちらも一旦発症すると緊急処置が必要になる。緊急性がより高いのは深部静脈血栓症であるが、頻度が高いのは自分の経験では尿閉であると思う(あまり明らかなデータ

 
 
原点としての子宮筋腫核出術

子宮筋腫核出術、特に腹腔鏡下子宮筋腫核出術(TLM:Total Laparoscopic Myomectomy)は自分が腹腔鏡下手術を始めたときに最も魅せられた術式である。子宮筋腫核出術は子宮筋層に切開を入れ、筋腫を核出(取り出す)し、筋層を縫い合わせる。最後に核出した子宮筋腫を体外に回収する。手術の行程は極めてシンプルである。シンプルであるが故に、術者の技量に手術の結果が左右されることが多い。特

 
 

© 2025. All rights reserved by miyabe yuki. 

bottom of page