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PMS(月経前症候群)と更年期障害の違い

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 10月1日
  • 読了時間: 1分

 40歳代前半になると既に更年期に入ったのではないかと心配される患者さんがときどきいる。毎月生理前に一週間ほどイライラしたり、体がだるくなったり、また便秘がちになったりするような症状である場合がある。これはPMS(月経前症候群)であり更年期障害とは異なる。PMSは意外にも40歳代前半は症状がつらいことが多い。


 PMSは排卵後にプロゲステロン(黄体ホルモン)が上昇することによってこれらの症状が生じる。つまり規則正しく排卵し、ホルモンバランスがとれているからPMSが生じてしまう。


 逆に更年期障害は年齢とともに卵巣機能が低下し、排卵を起こさなくなったり、エストロゲン(卵胞ホルモン)が低下することによって、ほてりや動悸を始めとした症状はおこる状態である。つまり更年期障害はホルモンバランスが崩れ始めるとこのような症状がおきる。


 治療もそれぞれ逆の方向である。PMSは例えば、低用量ピルなど排卵を抑え、女性ホルモンを抑制するような治療、更年期障害は女性ホルモンを加える治療である。どちらも女性ホルモンが関係する状態であり、ときには生活に支障が出る場合もある。婦人科医としては患者さんにそのときどきの状態をよく説明して安心してもらえるようにしたい。

 
 

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