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Smiley incision

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 10月4日
  • 読了時間: 1分

 腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)を行うとき、ほとんどの場合カップ型の子宮マニピュレーターを使っている。子宮摘出の最終段階で腟壁を切開すると子宮が体から分けられる。前腟壁から切開するか、後腟壁から切開するかは術者によって違う。私はあまり決めていなく、やりやすい方から切開することにしている。

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 カップ型の子宮マニピュレーターを考案した米国のCharles H. Koh先生は後腟壁から切開をしていた。何かのプレゼンテーションで、この切開を'Smiley Incision'と言っていた。確かにスマイリーフェイス(ニコニコマーク?)の微笑んだ口に似ている。初めてしったとき、なんとチャーミングな言い方をするのだろうと嬉しくなった。


 腟切開は子宮摘出の最終段階であり、その前までの行程で子宮が大きかったり、ゆ着が酷かったしたときは、少しホッとする場面である。もちろん他臓器損傷、出血なと注意すべきことはある場面だが、美しい'Smiley Incisionを施すことができればと思っている。

 
 

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