ULTRAVISION
- Yuki Miyabe
- 8月9日
- 読了時間: 2分
手術を行うときには熱を加えて組織を処理することが多い。そのときどうしてもサージカルスモークといって術野に煙が発生する。これは手術の視野を悪くしたり、さらには手術室のスタッフの健康を阻害する恐れがある。受動喫煙よりも健康に悪いといった説もある。特に新型コロナウイルス感染症が流行した2020年ごろからこのサージカルスモーク対策は重要な話題になった。
自分としてはだいぶ前からこのサージカルスモークの発生が気になっており、特に2018年で新都市病院で手術を始めてからは病院に理解を得て、ULTRAVISION(Alesi Surgical. Cardiff, UK)を導入している。この機器はイオンの働きでサージカルスモークを減少させるシステムである。このメリットとしてはガス交換式ではないので気腹が保たれること、あるいは二酸化炭素の使用量が少なくてすむことである。当然名前の通り大量のサージカルスモークが発生する場面、子宮筋腫核出術の筋層切開、子宮摘出の腟切開のときは非常に有効である。名前の通り、手術中の視界は良好であり、肝心なときにガスの圧が低下して視野が急に悪くなることもない。特にこれらの手術をULTRAVISIONなしで行うのはかなりストレスがかかる。また使用時のコストも比較的安価である。
医療機器メーカーのコマーシャルに関与する機会はあまりないが、このULTRAVISIONは日本での発売元からの依頼でレポートを書かせてもらった。本当に良い機器であると思って書いたレポートなので楽しく書くことができた。

また製造メーカーであるAlesi Surgicalはイギリスのカーディフ大学の学内ベンチャーがスピンアウトして設立された新しい会社である。カーディフはイギリスのウェールズ地方の首都である。
ウェールズは日本ではラグビーで有名かもしれないけど、自分としては伝統的なケルトミュージックを始め、ロックバンドであるThe Alarm、Manic Street Preachers、Stereophonicsなどが結成された音楽が豊かな地域であるといった印象がある。自分が若いころから好きだった音楽が生まれた土地かと思うだけで少し嬉しくなる。