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子宮を摘出すると子宮があった場所はどうなる?

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 8月16日
  • 読了時間: 1分

 患者さんからよく聞かれる質問に、子宮を摘出するとそこはどうなるか?つまり空洞や空間ができてしまうのか?といったことがある。


 これはなかなか難しい質問ではある。臓器は機械の部品と違ってそこを取り外したりするのと異なる。お腹のなか(つまり腹腔内)は実は腸管(小腸、大腸)の存在感が圧倒的に大きい。つまり腹腔鏡でお腹の中に入ると、子宮や卵巣はほとんどの場合、腸管の下に隠されている。子宮筋腫や卵巣腫瘍が大きいと腸の中から顔をのぞかせていることがある。骨盤高位(頭を下げる体位)にしてようやく子宮や卵巣を確認できることが多い。つまり一般的には子宮や卵巣はお腹の中では存在感は小さい。それよりも腸管の体積が圧倒的であり、しかも腸管は蠕動(動いていること)をしている。子宮を摘出したあともその場所で相変わらず腸管が動いている。だから空洞や空間ができてしまうことはない。


 やはりなかなか説明しにくいが、子宮や卵巣はお腹のなかでの機能は別として、大きさといった意味では存在感は小さい。子宮や卵巣を摘出してもそこを相変わらず小腸が動いている。

 

 
 

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