子宮筋腫は経過観察でよいか?大切にしている判断基準
- Yuki Miyabe
- 4 日前
- 読了時間: 2分
子宮筋腫が見つかったからといって、誰もがすぐに手術を受けなければならないわけではない。「できれば手術を避けたい」「このまま様子を見ても大丈夫だろうか」と不安に思うのは、患者さんとしては当然の心理であると思う。
でも経過観察でよいかどうかの判断には、慎重に評価する必要があると感じている。
受診前の段階で、ある程度「経過観察が可能である」と見通しを立てやすいのは、以下のような条件を満たすケースである。
サイズが数センチ以下と小さい
子宮の内側に影響する「粘膜下筋腫」ではない
貧血や痛みなどの自覚症状がない
こうした状況であれば、さしあたりは定期的な検診で変化を追っていくことで十分であると思う。
一方で、子宮筋腫の難しい点は、サイズや場所という数字上のデータだけで一概に判断を下せないことにある。
例えば、7-8センチを超える大きさであっても、周囲の臓器を圧迫せず無症状であれば、そのまま経過を見る選択肢もあり得る。反対に、たとえ2センチに満たない小さな筋腫であっても、発生した場所によっては、生活に支障をきたすほどの出血や不妊の原因になることがある。もちろん、大きな筋腫を抱えたまま閉経しても、その後何らかの原因や症状で手術が必要になることもある。
つまり、「筋腫がどこにあるか?サイズはどのくらいの大きさか?それによる症状がどのようか?これらが患者さんの生活や人生にどのような影響を及ぼしているか?あるいは将来にどのようなことがおこり得るか?」、などを見極めることが大切であると考えている。
