top of page
検索

手術室としての手術への安全性

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 2025年8月19日
  • 読了時間: 2分

更新日:2025年8月22日

 婦人科腹腔鏡手術は、執刀医一人で手術が達成できることは少ない。そのため手術室スタッフの手術への理解や経験は重要である。新都市病院は小規模な病院であるために手術室スタッフの人数も少ない。人数が少ないので、手術が忙しくなるとそのメンバー配置は大変であると思う。一方、人数が少ないと手術に多く携わることができる量といった点ではメリットがある。

 

 私が新都市病院で婦人科腹腔鏡手術を始めたときは手術室にそれまで経験がなく大変であったはずである。しかし7年以上がすぎ、現在はどのスタッフが手術の器械出しや外回りの業務を行ってもほとんど精度をおとさず業務を遂行できている。これは正直、規模の大きな病院ではなかなか実現が難しい(もちろん病院の個体差によるし、小さければよいわけはない)ことである。もちろんマニュアルをつくって業務の標準化を図ろうとするが実際にそれを運用するのは困難なこともある。

 

 新都市病院では婦人科の手術を始めたときに、最もセンスがあり術式の理解に優れたスタッフにまずはほとんどの手術に参加してもらい細かなニュアンスまで徹底的に理解してもらった。その後に他のスタッフ一人一人にその内容が伝わるように指導、伝達をしてもらった。このような努力により現在の新都市病院の婦人科手術全体の安全性、安定性が担保されるようになった。少人数であったことも大きなメリットであった。これが正しいスタッフの教育かは私にはわからない。もしかして組織としてのメンバーの平等性を損なうところもあるのかもしれない。しかしまずは組織ありきというよりも、患者さんの安全を担保することが全ての始まりであり、そのためにどのように組織をつくるかが重要であると思う。


 もちろんあまりに慣れてくると、慣れたがゆえにリスクが生じてしまうこともある。また少人数であるがゆえに意識できないリスクも生じることがある。これらは私自身の手術操作と同様、私を含めた手術室全体として克服していく課題である。




 

 
 

最新記事

すべて表示
腹腔鏡下子宮全摘術後の入浴はいつから?

手術を受けられた患者さんから最も多く寄せられる質問の一つに、「いつから湯船に浸かってよいか」というものがある。日常生活への復帰を目指す上で、入浴は心身のリラックスに欠かせない要素であり、切実な問題であると認識している。とくに多くの日本人は習慣的に湯船に浸かることも多い。 まず、シャワーについては術後翌日から入院中も入ってもらっている。皮膚の傷口を清潔な水で洗い流すことは、手術部位感染(SSI)を予

 
 
大きな子宮筋腫と子宮内膜症が合併したときの子宮全摘

大きな子宮筋腫や子宮内膜症が合併しているとき、手術、特に子宮全摘術の難易度は上がることが多い。 腹腔鏡手術は、お腹の中に炭酸ガスを入れて膨らませ、その限られた空間の中で作業を行う。しかし、子宮が大きく成長していると、お腹の中のスペースは物理的に奪われてしまう。 そこに内膜症による「ゆ着(臓器同士がくっついてしまう現象)」が加わると、状況はさらに複雑になる。子宮を鉗子で操作することが難しく、術野の展

 
 
気腹による痛みを減らすために

腹腔鏡手術後に、肩やみぞおちが痛くなることがある。特に婦人科腹腔鏡手術後は本来手術したところと全く無関係な上半身や肩の痛みが生じて患者さんも心配になってしまうこともある。一応手術前には説明しているが、思ったよりも痛みが強く離床の妨げにもなり苦痛を伴うことも多い。  3年ほど前から麻酔科の先生の協力で手術の終了時に「肺リクルートメント手技」という処置を積極的に取り入れている。ほぼ全例の患者さんに行っ

 
 

© 2025. All rights reserved by miyabe yuki. 

bottom of page