top of page
検索

卵巣癌と子宮癌(頚癌、体癌)との治療の違い

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 2025年11月11日
  • 読了時間: 2分

 卵巣癌は婦人科悪性腫瘍のなかでも発見が難しく、予後も悪いことがある。またその治療も子宮や卵巣の切除の加えて、大網、骨盤から上腹部(傍大動脈)のリンパ節郭清が必要になることが多い。さらには抗がん剤などが必要になることも多い。そのため卵巣癌が見つかったときには多くの場合これらの治療が必要になる可能性が予想される。ここが子宮頚癌や子宮体癌との大きな違いである。もちろん例外はあるが、子宮頚癌は健診を受けていれば多くの場合早期発見が可能である。また子宮体癌は子宮内膜という出血しやすい部位に発生する。そのため初期から出血が始まることが多いので早期に見つかることが多い。そのため、子宮の癌の治療は手術だけ、それも比較的後遺症の残さない治療で終わることも比較的多い。しかし卵巣癌は多くの場合、手術に加えて、抗がん剤などが必要になることが多い。手術も、特にリンパ節郭清それも上腹部まで行う事が多いが、その後一生、リンパ浮腫やリンパのう腫などのリスクがあり、日常生活の質を損なう可能性がある。また抗がん剤の治療後はしばしばダメージが残りなかなか調子が戻らないことも多い。

 

 私は悪性腫瘍を専門にしておらず、良性の卵巣腫瘍やチョコレートのう腫の治療をすることが多い。頻度は少ないが、ある一定の割合でこれらの良性腫瘍が急に悪性化することがある。一般的な婦人科外来診療で卵巣癌を具体的に予防できるほとんど唯一の方法が、この悪性化を防ぐことである。もちろん産婦人科ガイドラインに基づいた治療をしているが、卵巣癌は先に記したように大変な治療になってしまうことが多いので、特に40歳代以上の卵巣腫瘍やチョコレートのう腫を持つ患者さんには一度は手術について説明をするようにしている。

 
 

最新記事

すべて表示
皮様のう腫手術における卵巣機能温存:特に10・20代に患者さんにたいして

10代や20代という若さで卵巣腫瘍と診断されることは、ご本人やご家族にとってとても不安になってしまうと思う。とくに皮様のう腫はこの年代の女性の卵巣腫瘍でも最も頻度が高い。 皮様のう腫とは、卵子という生命の設計図が何らかの拍子に成長のスイッチを入れ、お腹の中で髪の毛や歯、脂肪などの組織を作り出してしまう疾患である。その多くは良性であるが、両側発生しやすいことが特徴の一つである。 これまでの文献や自分

 
 
生成AIとカンファレンスを行う

新都市病院婦人科の常勤医師は私だけなので、普段は手術の手伝いをしてくれる先生以外の産婦人科医師と診療上の問題点を話し合うことはあまりない。そのため、ある程度のこれまでの自分なりの勉強や経験によって患者さんのあらゆる状況に対応している。それでほとんど場合、解決できている。誰かがいればとかあまり思うことはない。しかし、実際の診療はできていても自分の考え方が少しずれていたり、古くなっているかもと心配にな

 
 
子宮筋腫核出術後の再発率の違い:筋腫の個数によること

子宮筋腫には、一度にたくさんできる多発性という大きな特徴がある。 筋腫が発生する主な原因は、その人が本来持っている体質によるものが大きい。何かをしたからといって防げるものではなく、発生する数が1個なのか、あるいは複数なのかも、基本的にはその方の体質によってしまうのが現状である。 実際、筋腫だけを摘出する子宮筋腫核出術を行う際、半数以上のケースで複数の筋腫を摘出することになる。もちろん、非常に大きな

 
 

© 2025. All rights reserved by miyabe yuki. 

bottom of page