子宮筋腫の手術で輸血になる確率はどれくらい?
子宮全摘術や子宮筋腫核出術の手術の説明を患者さんやご家族にするときに、出血が大量になり輸血をしなくてはならないリスクについて説明をしている。子宮や卵巣はかなり血流が多く手術の工程上、絶対に輸血しなくて大丈夫といえる手術は残念ながらほとんどない。
実際に輸血が必要になるのは、急速に多量の出血が続き、しかも止血処置を行ってもなお出血のコントロールが難しい場合と認識している。目安として1000ml前後を超えるような急な出血が続くケースが該当することが多いが、実際に輸血が必要かどうかは出血量の数字だけで決まるわけではなく、出血が止まる見込みがあるか、血圧や脈拍などの全身状態が保たれているか、貧血の進み具合はどうかなど、総合的に判断している。
たとえば大きな子宮筋腫の手術、さらに大きな子宮筋腫に子宮内膜症が合併しているときなどは自分の経験的には出血のリスクがある。また子宮筋腫核出術自体、とくに子宮筋腫が大きい場合、頚部よりに発生している場合も大量出血の原因になり得ると自分の経験からは重要視している。逆に良性卵巣疾患の手術では輸血のリスクはほとんどないし、自分の執刀例でも一度もない。
実際にほとんどの手術を腹腔鏡下に行っており、大きな子宮筋腫や癒着が高度な手術もほとんど制限なく腹腔鏡下に行っているが、実際に同種血輸血(献血由来の血液)が必要になったのは過去、この20年で自分の執刀例では0.02-0.03%である。ほとんど輸血は必要なく手術は終了しているので、一般的に説明すると輸血のリスクは稀なのかもしれない。
しかし、輸血のリスクは患者さんのお腹の状態によって、リスクのある場合とほとんど輸血のリスクがない場合の違いは大きい。もちろん病気自体にもよるが、そのリスクを手術前の診察や画像検査でできるだけ正確に見極める必要がある。できるだけ出血のリスクを減らす手術のストラテジーを幾重にもたてて準備している。
