術後翌日の発熱はそれほど心配ない
腹腔鏡子宮全摘術や腹腔鏡下子宮筋腫核出術など、割と侵襲の多い手術を行ったあとに手術翌日、特に術後24時間以上たったあとに38度前後の高熱が生じる患者さんがいる。
患者さんにとっては手術当日よりもむしろ手術の翌日に時間がたってからこんな高熱がでるのはかなり心配なことと思うし、ときどき大丈夫かと質問をうけることもよくある。でもこのような発熱や、あるいはこの発熱に加えて動くと傷が痛いとかお腹のなかの鈍い痛みなどで症状がおさまっていれば、ほとんど心配ないことが多い。このような発熱は吸収熱といって手術の侵襲によって生じるからだの正常な反応である。
一方、患者さんが頻回に鎮痛剤を希望したりするほど痛がったり、嘔吐を繰り返したり、落ち着きがなくなったり(不穏)していないかといった点はとても重要な所見である。これらは術後にもっとも恐れる腸管損傷などの合併症の症状である。逆に言えば、これらの症状がなくて発熱や軽度の腹痛であればほとんどの場合、安心できる。
手術翌日に、38度前後の高熱があっても、患者さんがわりとケロっとして顔をして、顔色もよくて、雰囲気も落ち着いているときはほとんど心配していない。逆にこちらとしては安心しているので、「まあ大丈夫です」なんてわりと素っ気なく対応してしまうこともあるかもしれない。がっかりさせてしまうこともあるかもしれない。でも手術翌日の発熱は基本的には生じるものなので、手術当日よりも痛くなくて、食欲もあれば大丈夫だからどうか安心してほしいと思っている。
