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男性産婦人科医であること

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 7月22日
  • 読了時間: 2分

 男性である私が産婦人科医として必要なのか思うことがときどきある。もちろんこれまでに途中で他の診療科にかわることも可能ではあったかもしれないがそれなりに仕事をしているとある程度は忙しく続けてきてしまっている。自分の行う手術によって患者さんが元気になってくれたり感謝してくれていることを知ると簡単にはやめたくなくなる。

 

 普通に考えて産婦人科は女性産婦人科医のほうが受診しやすいのは確かだろう。このことは致し方ない。あきらめている。


 また外来診療をしていても自分には経験できないというか実感できない症状がすべてである。私に受診していただいた患者さんのなかには、この医者は何にも分かっていないとがっかりされてしまうこともあると思う。でも骨折をしたことのない整形外科医もいるかもしれないと思ってなんとか診療を行っている。

 

 こんな絶望的な思いにかられてしまうこともある。でもわからないからこそ患者さんの状態についてもしかして客観的に診療をできる場面もあるかもしれないと思って診療を続けている。でもきっと限界はあるのだろう、最終的には畏怖の念を抱きながら診療をするしかないと思っている。


 自分のできることは少ないけど、もしかして産婦人科医として存在する意義があるとするならば少しは手術ができることだと思っている。そんな自分を信頼してくれる患者さんもときにはいる。期待を裏切らないように努力したい。



 
 

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