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10年かかって難題が解けることもある:子宮筋腫核出術での工夫

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 11 分前
  • 読了時間: 2分

 腹腔鏡下子宮筋腫核出術(TLM)を行う際、モルセーフ®という摘出した子宮筋腫を入れる専用の袋がある。モルセーフ®を患者さんのお腹でひろげて、その中で専用の器具(モルセレーター)を用いて子宮筋腫を細切して体外に取り出す。


 モルセーフ®は、現在の腹腔鏡下子宮筋腫核出術(TLM)はほぼ必須と思われる器具である。導入されたのは確か2016年頃であったが、正直なところ取り扱いが難しかった。自分の行う腹腔鏡下子宮筋腫核出術(TLM)とのトロッカー配置との相性や、患者さんの腹壁の厚さなどによって、一定の扱いやすさが得られないことがあった。


 発売元にさまざまな方法を尋ねたり、過去の論文や手術動画をみたりして実際に自分で試したりもしたが、どれも確実な再現性があるとは言い難かった。毎回、最終的には患者さんの安全と手術の完遂は保たれていたが、モルセーフ®のセッティングによる手術時間の延長が課題であった。


 特にお臍の5mmの傷からモルセーフ®のテールエンド(しっぽ)の部分を出し、そこに5mmのトロッカーを挿入する工程にいつも難航していた。たまたまうまくいっても、次回の手術でまったく同じスムーズさを保証できるわけではなかった。


 それが最近、手術中にこれまで自分が行ってきたのと全く違う方法、いわば真逆の方法、方向からアプローチをしてみたら非常にスムーズに5mmのを挿入することが可能になった。


 これまで何人かの患者さんに行っているが、100%の成功率である。この過程は腹腔鏡下子宮筋腫核出術(TLM)のほんの僅かな一工程ではあるが自分にとっては非常に画期的であった。この方法の発想は手術中に天から降りてきたような思いつきであったが、その実際はこれまでの腹腔鏡手術の手技を組みあわせたものである。


 少し大げさな表現かもしれないが、10年越しの難題が解決できたと感じている。あらゆる手技はまだまだ改良できる余地が残されていること、ゆ着剥離などもそうだが違う方向から試してみる価値はあること、あるいは諦めないで考え続けることの大切さをあらためて感じている。


 

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