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皮様のう腫手術における卵巣機能温存:特に10・20代に患者さんにたいして

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 3月7日
  • 読了時間: 2分

10代や20代という若さで卵巣腫瘍と診断されることは、ご本人やご家族にとってとても不安になってしまうと思う。とくに皮様のう腫はこの年代の女性の卵巣腫瘍でも最も頻度が高い。


皮様のう腫とは、卵子という生命の設計図が何らかの拍子に成長のスイッチを入れ、お腹の中で髪の毛や歯、脂肪などの組織を作り出してしまう疾患である。その多くは良性であるが、両側発生しやすいことが特徴の一つである。


これまでの文献や自分の経験でも皮様のう腫は10%以上の割合で両側の卵巣に発生することが知られている。たとえ最初の手術において片側のみであったとしても、数年後にもう一方の卵巣に新たな腫瘍ができてしまう可能性がある。


そのため、皮様のう腫の手術では、今ある腫瘍を摘出することだけでなく、いかに卵巣機能(卵子の温存や女性ホルモンの産生)を維持できるような手術を行うことが重要である。正直、卵巣機能の温存にはかなりプレッシャーを感じている。将来の妊娠や健康維持を支える卵巣組織は、一度失われると再生することはほとんどない。


手術においてはできるかぎり丁寧に剥離(腫瘍をはがす)し、出血を最小限に抑えることはもちろん大切である。また、場合によっては卵巣機能温存のために一部の腫瘍部分を残して正常部分をできるだけ多く残すことが必要な場合もある。


将来、妊娠を希望している患者さんにとっては、妊娠ができる可能性を最大限残すことが当面の目標である。皮様のう腫、その他卵巣腫瘍ができたからといって将来を悲観する必要はない。実際に良性の卵巣腫瘍はチョコレートのう腫と違い、妊娠率が低下するといった報告は少ない。逆にいえば、私たち婦人科医がどんな手術をすべきかといった選択が将来を占うのかもしれない。


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