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婦人科腹腔鏡手術とBMI(肥満度の指標)

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 3月21日
  • 読了時間: 2分

婦人科腹腔鏡手術においては、患者さんの体格、特にBMI( body mass index)は、手術の難易度と安全性に関わることがある。


BMI=[体重(kg)] ÷ [身長(m)×身長(m)] で算出され、日本ではBMIが25以上であると肥満と判定される。この25という数値については色々な見解があるようだが、私自身は栄養や代謝などの専門ではないのでこの数値の妥当性についての評価は難しい。


しかし、自分の経験でもBMIの25という数値は、この体格が手術の遂行に少しずつ影響を及ぼし始める数値であると感じている。


BMI 25を超えると、脂肪層の厚みにより、手術器具を挿入するポートの固定が少し不安定になる。また、お腹の中では術野の展開(手術部位を見えやすくすること)に時間を要したり、内臓脂肪が物理的に作業スペースを圧迫するため、標準体型の場合と比較して、手術のやりにくさが少しずつ生じ始める。少し手術がやりにくいなと思って、BMIを確認すると25を超えていることが多い。


BMI 29を超えると脂肪組織が血管や神経など大切な臓器を覆い隠すため、それらを安全に同定(見極めること)するための剥離(はくり)の工程が増える。また腸の周りの脂肪も多くなり、腸管が重くなり扱いに注意が特に必要になる。一つひとつの操作に通常より慎重さが求められ、安全を確保するために追加の処置が必要となる場面も多く、それに伴い手術時間は延びやすくなる。


BMI 35を超えると(高度肥満)医学的にはハイリスクとなる。婦人科腹腔鏡手術では、お腹を膨らませる気腹と、手術部位を露出させるための頭低位(頭を下げた姿勢)が必要だが、重い脂肪の重みが横隔膜を押し上げ、心臓や肺への負担を増大させる。手術視野も悪く、手術操作は困難になり、出血や他臓器損傷、感染などのリスクが上昇してしまう。そもそも肥満によるリスクを考慮すると手術自体の適応にも悩むことが多い。


もちろん体質的にBMIが高くなりやすい患者さんもいるし、食べることは人生の大切な楽しみの一つだからあまり節制すぎるのも好まくないと思う。でもBMIが高くなるにつれて手術のリスクが変化することは共有できたらと考えている。



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