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手術の前になぜ禁煙したほうがいいのか?

  • 執筆者の写真: Yuki Miyabe
    Yuki Miyabe
  • 3月10日
  • 読了時間: 2分

 手術の予定が決まったとき、もしも患者さんが喫煙者であった場合はごく一部の場合を除いて禁煙をお願いしている。手術に迎えるにあたり、喫煙は手術予定のある患者さんにとってほとんど良いことがないのだけれど、ときどきなぜ禁煙しないといけないかと言われてしまうこともある。確かにいきなり断定口調で言ってしまって反省することもある。


婦人科腹腔鏡手術に関して、喫煙がもたらす主なリスクは①全身麻酔に関する呼吸器合併症のリスク、②血栓症のリスク増加、③創傷治癒の遅延などがある。


全身麻酔における呼吸器合併症のリスク: 喫煙は気道を過敏にし、痰の分泌を著しく増加させる。それだけでなく、一酸化炭素がヘモグロビンと結合することで、血液の酸素運搬能力が物理的に奪われるのである。これは麻酔中の換気不全や、術後の肺炎などを引き起こす原因となる。実際喫煙している患者さんの術直後は少し苦しそうに思える。


血栓症(肺塞栓症、深部静脈血栓症)のリスク増加: ニコチンは血管内皮を傷つけ、血液の粘度を高める。婦人科手術などの骨盤内手術はもともと血栓症のリスクは他のメジャーな手術と比べて低い方ではない。喫煙はさらに血栓症のリスクを高め、命に関わる重大の状況に陥ってしまうことがある。


創傷治癒(きずのなおり)の遅延: 末梢血管の収縮により、きずをなおすための酸素と栄養が細胞に届かなくなる。細胞が酸欠状態に陥れば、感染や離開のリスクが上がってしまう。


 これらの3つを主に患者さんに説明するようにしている。手術をうける立場の患者さんは自分で合併症のリスクを減らせることは数少ないが(ほとんどは執刀医の仕事でるある)、禁煙はそのうちの一つである。


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