Yuki Miyabe
2025年12月20日
卵巣のう腫の手術で大切にしていること:部屋(のう胞)数の違いを知る
卵巣のう腫(チョコレートのう腫や皮様のう腫など)と診断され、手術を勧められたとき、多くの患者さんは「卵巣がなくなってしまうのではないか」「将来の妊娠やホルモンバランスに影響が出るのではないか」と不安を感じると思う。 腹腔鏡下卵巣のう腫核出術を行うとき、最も大切にしているのは卵巣機能の温存である。つまり、病変だけを取り除き、いかに正常な卵巣組織をダメージなく残すか、という点に心血を注いでいる。 卵巣の機能(卵子や女性ホルモンをだすこと)を守るために、これまでさまざまな術式が提案された。手術中にいかに血管を傷つけないか、いかに熱によるダメージを抑えるかといった技術的な工夫はもちろん重要である。 しかし、手術の難易度や、どれだけ正常部分を残せるかを決定づける大切な要因は、実はのう腫の構造(発生の仕方)にあると考えている。 卵巣のう腫には、大きく分けて「単房性(中身がひとつの部屋)」と「多房性(中身がいくつもの部屋に分かれている)」の2つのタイプがある。 単房性(たんぼうせい) 風船の中に水が入っているようなイメージである。この場合、正常な卵巣組織
